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いまちず!

今、地図を広げよう! 地図好きによる、街のこと、旅のこと、乗り物のこと。

駅名と地域性の関連性

 

鉄道駅の名前はその地域の名前を命名するのが一般的。でも、地域の名前ではなく、市名を駅名として残そうとしているんじゃないか?と考えられるほど、多くの駅に同じ名前のついた駅が存在している地域がある。それが最も顕著なのが、さいたま市。なんでなんだろうね?

さいたま市の場合

 

さいたま市は2001年に浦和市と大宮市、与野市が合併して誕生した市である。合併以前、浦和市と大宮市は互いに埼玉県一の座を譲らず人口、経済力ともに拮抗していた。またその両市に挟まれていたのが与野市であった。

この地域は、市町村の名前を駅名に命名する傾向があるようである。

右の図を見てほしい。この地域の駅では「大宮」「与野」「浦和」という旧市町村名が駅名として残っている。中心駅のみではなく複数である。

「浦和」という名前のついた駅名は8つ。鉄っちゃん界では有名だそうだが、さすがにこれは全国でも珍しい。例えば武蔵野線を西方向から東方向へ向う と、順に西浦和駅、武蔵浦和駅、南浦和駅、東浦和駅と浦和と名のついた駅に4回停車することになるのである。何浦和駅に降りるのか忘れたら、さあ大変 !

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「大宮」と名のつく駅

  • 大宮駅 (JR、東武野田線)
  • 大宮公園駅 (東武野田線)
  • 北大宮駅 (東武野田線)

「与野」と名のつく駅

  • 与野駅 (JR:京浜東北線)
  • 北与野駅 (JR:埼京線)
  • 与野本町駅 (JR:埼京線)
  • 南与野駅 (JR:埼京線)

「浦和」と名のつく駅

  • 浦和駅 (JR)
  • 北浦和駅 (JR:京浜東北線)
  • 南浦和駅 (JR:京浜東北線、武蔵野線)
  • 武蔵浦和駅 (JR:武蔵野線、埼京線)
  • 西浦和駅 (JR:武蔵野線)
  • 東浦和駅 (JR:武蔵野線)
  • 中浦和駅 (JR:埼京線)
  • 浦和美園駅 (埼玉高速鉄道)

※ 括弧内は鉄道路線名。但し、JRの路線名は通称名である。

そもそも、何故こんなに同じ地域名が駅に命名されたのかを、考えてみる。

考えられる理由1

旧大宮市、旧浦和市は人口規模、経済規模が拮抗しているため、互いに競争心があり、それが形となった一つの現象ではないのか。

旧大宮市、旧大宮市、旧与野市比較
 旧浦和市旧大宮市旧与野市
人口 488,181人 458,180人 84,081人
面積 70.67km² 89.37km² 8.29km²

※ 人口は2001年のデータ

旧浦和市、旧大宮市において、人口はほぼ拮抗状態である。

旧浦和市は埼玉県の県庁所在地。国の関係機関も数多く集まっており特に行政において埼玉県の中心的役割を持っていた。

旧大宮市は新幹線、在来線、東武鉄道が集まるターミナル駅を有しており、ヒトとカネが集まる埼玉県の実質的商業・交通拠点であった。

と、こういう背景があることから、浦和市は「浦和」という名前を多く残すことで、市の存在感を強くしたいとの思惑があったのではないか。

大宮市でも同様な傾向があったんじゃないのかと考えられる。あくまでうわさだが、こんな話がある。今のさいたま新都心駅は、国主導のさいたま新都心開発を誘致できなかった場合、「南大宮」駅という駅名にする予定だった、と。

ただ、大宮市の場合は「大宮」駅自体の存在感が大きく、浦和市ほど意識していたとは思えない。駅名を見ていくと東武野田線大宮公園駅の「大宮公園」 は固有名詞で、近くにあった大宮公園が駅名になったと考えるほうが自然である。そう考えれば大宮駅以外には「北大宮」駅のみである。

理由2

じゃあ、与野は何でか。

与野市は北に大宮市、南に浦和市という巨大な市に挟まれ、両市の間にうもれてしまい、その存在感はもともと小さかった。人口でも面積でも経済力でも 到底両市には敵わないのである。なので、意識して「与野」を主張しようとしていたのではないか。駅名に「与野」がなければ「与野ってどこ?」となってしま う。与野の場合は大宮浦和に埋もれてしまわないために主張した結果ではなかったのだろうか。

前橋市と高崎市の場合

 

さいたま市のような例は、群馬県の前橋市と高崎市でもみることができる。

前橋市と高崎市も経済力、人口共にほぼ同じであり、両市では、どうしても相手の市を意識してしまうという場合がある。

また、社会的条件も浦和市大宮市の場合と似通っている。前橋市は群馬県の県庁所在地であり、高崎市は新幹線など鉄道拠点をもっており、「群馬の玄関」とさえいわれている。

「高崎」と名のつく駅

  • 高崎駅(JR)
  • 高崎問屋町駅(上越線)
  • 北高崎駅(信越線)
  • 南高崎駅(上信電鉄)
 

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「前橋」と名のつく駅

  • 前橋駅(両毛線)
  • 新前橋駅(上越線)
  • 前橋大島駅(両毛線)
  • 中央前橋駅(上毛電鉄)

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※ 括弧内は鉄道路線名。但し、JRの路線名は通称名である。

両市とも「前橋」「高崎」と名のついた駅は各4駅。 前橋市で最も新しい駅は「前橋大島駅」で、高崎市は「高崎問屋町駅」。どちらも先頭には名前が入っている。

どちらも”あえて”頭に地名をつけたようなきがしてならない(笑。真実は知らないが…。

とはいうものの冷静に考えると、前橋大島の「大島」は単体だった場合、他県人が聞いたらどこだか分からないし、伊豆大島とか日本全国そこら中に点在する大島と混乱する人がでるかもしれない、という配慮があるのかもしれない。

同じように、高崎問屋町は「問屋町」だけだと、それだけでは、群馬県の高崎市のここにある問屋町だ!という名前にはならない。問屋町なんて全国どこにでもあるし、これも無用の混乱を避けてとのことかもしれない。

ただ、地元に住んでる立場からすれば、そんなことはあまり気にしない、くらいにしか思わない。でも、駅を設置した自治体が都市間競争という意識を持っていることの表れなので、自治体としてはよい傾向へ向ってるんじゃないかとちょっと安心である。

前橋市と高崎市にはまだ先のことにはなるが、共に新駅の構想があるので、そちらに注目である。

 

※この記事は筆者が過去に運営していましたwebサイト「taboto note」より記事を移植しました。