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開業間近!北海道新幹線についてきちんと知っておきたい、5つのこと

 

こんにちは!


いよいよ3月26日に北海道新幹線が開業します。ついに新幹線が北海道まで繋がるのです。北海道の方たちにとっては何十年来の悲願ですし、日本の国土計画においても1967年の全国新幹線構想以来ですから、実に半世紀かかってようやく実現する事業なのです。
ところで、今回開業する北海道新幹線について開通範囲など、きちんとご存知ですか?今回は、そんな北海道新幹線のきちんと知っておきたい5つのことと題して記載します。

1、新青森駅より北が北海道新幹線

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そもそも北海道新幹線とは、新青森駅より北海道側の路線の事を言います。何となく東北新幹線全線がそのまま名称を北海道新幹線へ変えると思っている方がいますが、それは違います。

新大阪駅より西側が山陽新幹線であるのと同じです。

北海道新幹線は「新青森駅-札幌駅」間の新幹線なんです。3月26日に開業するのは、その一部区間の「新青森-新函館北斗駅」です。

2、新函館北斗駅から函館市中心部は遠い!

新幹線の駅は都市の中心部につくられるイメージがありますが、新函館北斗駅は違います。函館市中心部にある函館駅からみるとかなり遠くにあることが分かります。

※渡島大島駅の位置に新函館北斗駅が開業予定

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さらに、航空写真で見てみるとその遠さが分かります。

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函館の外れも外れです。この遠さから、結局、新駅の名前が「新函館」ではなく、近くの北斗市の名前をいれた今の名称になってしまいました。

新函館駅北斗駅から函館中心部(既存の「函館駅」まで)は

  • 距離:約19km
  • 時間:5駅24分

 

イメージしやすいように東京駅からの距離に例えてみます。東京駅から同じ距離、同じ時間の場所だと、川崎駅がちょうどぴったりです。
東京駅-川崎駅間は

  • 距離:約21km
  • 時間:22分(東海道本線の場合)

この場所に駅を設置せざるを得なかったのは、新幹線のルートとして函館市中心部を経由すると遠回りになってしまうためです。

青函トンネルをくぐってから函館方面へは東方向、その後札幌方面へは北方向に進路を変えなければならずどこかで90度進行方向を変えるルートにしなければならないのです。

3、最高速度は時速260km/h

北海道新幹線は整備新幹線のため最高速度が260km/hとなっています。

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そもそも整備新幹線とは、国鉄が民営化されJRとなった後に整備される新幹線の事で、以下の5路線が指定されています。北海道新幹線、東北新幹線(盛岡-新青森)、北陸新幹線、九州新幹線、長崎新幹線が整備新幹線に指定された5路線です。

全国新幹線鉄道整備法という法律に則って新幹線が建設されているのですが、この法律が古く、最高速度が260キロと記載されているのです。

なら、法律を改正すればいいんじゃない?と思うのですが、新幹線整備はこの設計速度に基づいて何十年も前から土地買収や設計を進めて今に至っているため、途中で法律を改正すると、土地買収や設計自体が全てやり直しになってしまい、開業がさらに遅れてしまうことになってしまうのです。

車両性能に法律が追い付いていないのは誰しも認めるところですが、早期開業のためのやむを得ない事情といえます。

4、青函トンネルの最高速度は時速140km/h

青函トンネル区間は、貨物列車と同時に走行するため、時速140キロ制限となっています。

ただでさえ整備新幹線で最高速度260キロに制限されているのに、青函トンネル部分は更に制限が厳しいのです。この青函トンネル部分は、様々な走行実験や可能性を検証した結果です。安全性には変えられません。

5、車両はH5系

車両はJR東日本のE5系をベースにしたH5系です。H1の“H”は北海道の頭文字の“H”のことです。“5”はおそらくE5系の5をそのまま使っていると思われます。H1~H4 があるわけではありません。これは北陸新幹線の時のような番号設定です。

※北陸新幹線は、JR東日本のE7系と同じ車両をJR西日本でも使用していますが、JR西日本では“W7系”と言っています(W1~W6は存在しません)。

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E5系とH5系は、ほぼ同仕様ですので見た目は変わりません。デザインとして、E5系がピンクの帯になっている部分が、H5系では北海道のラベンダーをイメージした紫色になっています。

JR北海道の車両ですが、東北新幹線区間を通るため320km/h走行が可能です。

まとめ

今回はそもそも北海道新幹線とは?に焦点を当ててみました。

あともう少しで開業です。楽しみですね。