こんにちは!
仙台のオフィス空室率が5月はわずかに改善したというニュースが河北新報で発表されていました。
情報元の三鬼商事のデータから紐解いてみます。
空き室率改善9.40% オフィスビル
オフィスビル仲介の三鬼商事仙台支店がまとめた仙台市内のオフィスビルの5月の平均空き室率は前月比0.05ポイント低下の9.40%で、4カ月連続で改善した。
調査した5地区のうち、2地区で改善した。このうち一番町は0.12ポイント低下の9.48%、仙台駅東は0.44ポイント低下の14.27%。拡張移転に伴う成約があった。
悪化は3地区で、仙台駅前は0.10ポイント上昇の6.52%、県庁・市役所は0.04ポイント上昇の11.34%、泉区などの周辺オフィスは0.26ポイント上昇の9.98%だった。
仙台支店は「依然として大型テナントの動きが少ない状況が続いている」と分析する。調査対象は延べ床面積990平方メートル以上の353棟。
出典:空き室率改善9.40% オフィスビル | 河北新報オンラインニュース(2016年6月11日)
他都市と比較して仙台のオフィス空室率はどうか
データ元の三鬼商事では、仙台だけではなく、東京、大阪、名古屋、横浜、札幌、福岡の各情報を毎月発表しています。
- 東京4.05%
- 大阪6.35%
- 名古屋7.05%
- 横浜5.73%
- 札幌4.25%、
- 福岡5.66%
- 仙台9.40%
上記数字は、三鬼商事HPより参照しました。(オフィスマーケットを見る|貸事務所・賃貸事務所・オフィス移転の仲介|三鬼商事(株))
オフィス空室率は数字が少ない程良いとされています。
一覧の数字を見ますと、仙台の数字が最も高いです。つまり、発表されている都市の中ではオフィス空室率が一番悪いということになります。
ただし、発表されている都市は、どこも都市規模が仙台より大きいため、仙台の都市規模からすればこの空室率は、これくらいの数字なのかもしれません。
昨年と比較してどうか?
河北新報が記事にしている数字は、4月と5月の比較です。短期間での比較ですので、その数字に一喜一憂するものではありません。
全体的な傾向をみるためには昨年同月比を見てみる必要があります。
- 仙台市2015年5月→10.65%
- 仙台市2016年5月→9.40%
昨年同月と比較すると1.25%も改善しています。三鬼商事のHPでは過去の毎月の数字を見ることができますが、この一年で仙台は全体的に右肩下がり、つまりオフィス空室率が改善してきているという傾向がみてとれます。
仙台市内のエリアでみるとどこが良い傾向か
三鬼商事では、仙台ビジネス地区として、都心部を4つのエリアに分けています。それぞれのエリアの数字を見てみます。
- 駅前地区→6.52%
- 一番町周辺地区→9.48%
- 県庁・市役所周辺地区→11.34%
- 駅東地区→14.27%
駅前地区がダントツで数字が良いです。駅前地区は仙台駅西側から東二番丁通りまでの範囲です。やはり新幹線駅に近いのが最大のアドバンテージでしょう。
続いて一番町周辺、県庁・市役所周辺と続きます。
一番町周辺は、東二番丁通りより西側から広瀬川まで。県庁・市役所周辺は定禅寺通りより北側から北仙台駅付近までの範囲です。駅前エリアとかなりの開きがあります。
駅東地区の空室率が高いのは、まあしょうがないです。
全体的に、オフィス需要は駅西側の仙台駅に近い程高いということが読み取れます。
現在、青葉通沿いで久しぶりとなる中規模のオフィスビルを野村不動産が建築中です。東日本大震災前までは大型オフィスの供給が続いていましたが、しばらく落ち着いています。今後の動きに注目です。