こんにちは!
毎年、森記念財団都市戦略研究所が公に発表されているの様々な指標を用いて、日本の都市の都市力をスコア化して発表しています。これは「日本の都市特性評価(Japan Power Cities)」といい、昨年2019年に最新結果が発表されています。
「森記念財団」でピンとくる人がいるかもしれませんが、この財団は六本木ヒルズを代表するディベロッパーの、森ビルが参画している財団です。
日本の都市特性評価(Japan Power Cities)は6分野26指標グループ、83指標データを用いて都市力をスコア化しています。
仙台の都市力は全国7位
最新の2019年の評価では仙台市は7位でした!
評価は主要都市72都市と東京23区で行われています。思っていたより高い評価だなというのが率直な感想です。
なかなかこうした指標で、仙台市のことを客観的に見ることはありませんので、見ていきましょう。
分野別レーダーチャート
仙台市の分野別レーダーチャートです。順位の右側の数字は偏差値です。
研究・開発4位
分野別では4位と最も高順位となっています。偏差値も70超えの高数値です。
研究集積グループ、研究開発成果グループの指標があり、東北大学の存在が大きく影響しています。東京大学、京都大学に次ぐ位置付けの東北大学のキャンパスは、すべて仙台市青葉区内にあります。
最近も、次世代型放射光施設を東北大学青葉山新キャンパス内に誘致し、建設が進められており、まだまだ期待できる分野です。
文化交流9位
特に観光面で、東北の拠点としての役割を果たしていることからの評価です。宿泊施設数は秋保温泉や作並温泉を市内に抱えていることから多く、国際会議、展示会開催数も定期的な催し物が多く、影響を与えているものと思われます。
交通アクセス10位
都市内交通は、公共交通の利便性や鉄道駅バス停の密度などです。これは地下鉄東西線の影響が大きいでしょう。また都市外アクセスでは、新幹線や空港アクセスが評価されています。
客観的に見て、都市外からの仙台市中心部への公共交通アクセスはストレスなく移動できることが評価されています。
総合7位
様々な指標から都市力は7位です。この評価では、「経済ビジネス」「環境」分野が弱く、仙台で今後力を入れる分野であることが明確です。
日本をリードする研究開発、東北の観光拠点としてのハードとソフト、仙台中心部への都市アクセスが優れており、都市としての大きな強みです。
仙台市は東日本大震災以降「防災都市」として世界に発信しています。ですがそれが経済やビジネスに結びついておらず、経済面では未だに東京や大阪の大企業の支店経済のままです。この点は今後、行政のかじ取りが必要になる分野ですので、ぜひ力を入れてほしいところです。
また、環境分野(環境パフォーマンス分野)は防災面にもつながる部分でもあり、連携しながら強化してほしいところです。