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せんだい都心再構築プロジェクト第二弾について、調べてみました

 

こんにちは!

先週、「せんだい都心再構築プロジェクト」第二弾が仙台市から発表されており、どんなものかを調べてみました。

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仙台市街並み

「せんだい都心再構築プロジェクト」第二弾の4つの内容

今回、第二弾の内容は大きく4つの項目を追加しており、ビル建て替えの際に起こりうる障壁を極力取り除くことを意識して決定されています。

それぞれを見てみます。

1、「グリーンビルディングの整備を促進するための方針」の策定

都市再生緊急整備地域において、建築総合環境性能評価システム(CASBEE)で最高ランクを取得するなど、環境に最大限配慮された、グリーンビルディングの整備を促進するための本市独自の方針を定めます。

当該方針に則した事業については、条例に基づく環境影響評価手続きを適用しないこととします。

【引用】「せんだい都心再構築プロジェクト」第2弾を実施します(発表資料)|仙台市 (以下同)

今回、さらっと書いていますが、このグリーンビルディングに該当することで環境影響評価手続きを適用しないとしており、画期的な内容です。仙台市では100m以上の高層ビルを建築する際には環境影響評価が必須となっていますが、手続きが煩雑かつ長期に及ぶことからこれが障害となっている可能性があり100m以上の大規模ビルはここ数年建築がされていませんでした。

仙台市の資料でも「環境アセスメント手続きと比べて、工事着手(解体工事を含む)までの手続き期間を1年~1年半程度短縮することが可能」と記載されています。

環境影響評価手続きが適用無しになれば、大規模ビルを建てようという民間の気運が高まる可能性があります。

今だと、「藤崎」周辺一体開発や「旧さくらの百貨店」建替えでグリーンビルを採用すれば、いけそうですね

 

2、「総合設計制度」の拡充

老朽建築物の建替えとともに、高機能オフィスの整備促進や魅力的な市街地環境の形成に向け、街区設計型総合設計を導入し、建替えに係る規制緩和メニューの充実を図ります。

こちらは、シンプルにいえば容積率の緩和です。イメージは下図を見ていただきたいと思います。

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せんだい都心再構築プロジェクト第二弾イメージ、仙台市HPより

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せんだい都心再構築プロジェクト第二弾イメージ、仙台市HPより

容積率の緩和は、ビル建て替えの刺激策としては王道の方法です。今回はここに、2つ条件が加わることで容積率の大きな緩和が可能となります。

  • 高機能オフィスの事務所床面積を評価
  • 敷地の一辺がその街区の一辺を占めていること

要件をクリアすれば、仙台で容積率600%のエリアは900%まで可能となります。

仙台市と同じ地域中枢都市の福岡市が2016年から進める「天神ビックバン」という老巧化ビルの建替え促進策があるのですが、そこでも容積率の緩和がメインとなっており、すでに多くの実績を上げています。仙台でも期待したいところです。

余談ですが「天神ビックバン」ではこの容積率の緩和のことを「天神ビックバンボーナス」と言っており、一般市民でもわかりやすいような言葉で発信されています。

 

3、企業立地促進助成制度の強化

これは、人材確保のための助成金の制度強化です

4、「テナント退去支援助成」の創設

この助成は面白いとおもいます。既存のテナントが退去しやすいようにするための仕組みで、対象のビルから退去する場合は移転後の3か月間の賃料を助成する制度です。

民間事業者を誘導させるための、せんだい都心再構築プロジェクト

仙台市都心部は、大規模ビルの需要があるにも関わらず計画が現実化しているものがなく(「旧さくらの百貨店」建替え、「藤崎」周辺一体開発の具体化はこれから)まだまだ推進力が必要なところでしたので、この第二弾で大きな躍進のきっかけになる可能性があります。また老巧化したビルは、読売ビル、電力ビル、フォーラスなどまだまだあり、今後に期待です。

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