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仙台さくら野百貨店の建物は、解体に向け調停申し立て。今後はどうなる?

 

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こんにちは!

 

先日の河北新報の記事で、さくらの百貨店の建物が取り壊しに向けて動いているという記事がありましたので紹介します。河北新報の記事を引用します。

 

 <さくら野仙台>破綻1ヵ月前から解体求め調停

 

 破綻したさくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区)の建物と敷地の8割を所有し、匿名組合が出資する法人が、運営会社エマルシェ(同)の自己破産申請の1カ月以上も前から、建物取り壊しの同意を求める調停を申し立てていたことが4日、分かった。

 さくら野仙台店が営業していたにもかかわらず、早期に敷地を更地にしてデベロッパーなどに譲渡するため、法的手段を取ったとみられる。路線価が東北トップの一等地をめぐり、再開発の動きが水面下で進められている。
 法人は東京都中央区の「さくら野DEPT仙台合同会社」。匿名組合は不動産証券化などで多くの投資を集めるため、組合員の投資家に事業に関与させず、匿名性も担保する出資形態。仙台合同会社の匿名組合についても、投資家や事業者の実態は明らかにされていない。
 さくら野仙台店の建物と敷地は、最大所有者の仙台合同会社を含む5法人、3個人が分割所有している。エマルシェは2月27日に破綻したが、仙台合同会社は1月、建物取り壊しの同意を他の所有者に求める調停を仙台簡裁に申し立てていた。
 関係者によると、仙台合同会社は再開発を主導するのではなく、建物を取り壊して大手デベロッパーなどに土地を譲り、投資を回収するのが目的とされる。
 仙台合同会社側の代理人は「調停をしているのは事実」と説明。他の所有者側の代理人は「方向性は考えているが、取り壊しに応じるかどうか結論は出していない」と話す。今後も調停は続き、再開発の行方は不透明なままだ。
 さくら野仙台店前の「青葉通」の2016年路線価は1平方メートル当たり198万円で、60年連続で東北トップとなった。一方、同店の敷地と建物は権利関係の複雑さなどから、過去にも再開発が頓挫してきた。
 現在も建物内でテナント10店舗が営業しているが、仙台合同会社は各店にも早期の退去を求めている。関係者によると、全テナントが今月中の退去で話が進んでいる。

 

2017年05月05日金曜日

出典:<さくら野仙台>破綻1ヵ月前から解体求め調停 | 河北新報オンラインニュース

 

この記事だけでは、全体をつかめないので少しかみ砕いてみます。

さくら野百貨店仙台店の資産管理法人が解体したがっている

さくら野百貨店は少しややこしく、青森県や岩手県にある店舗と、は仙台店の資本は全く別となっています。

仙台店はブックオフなどのテナントを入れてテナント料で稼ぐというやり方をとっているのに対し、青森県や岩手県の店舗はテナントに頼らない独自の販売を行っています。こうした百貨店の運営方針が全く異なることから過去に分社した経緯があります。

さらに、過去に分社した際に、もう一つ法人が設立されています。それが仙台店の資産管理を担当する法人で、「さくら野DEPT仙台」です。

この「さくら野DEPT仙台」が、記事で出てきた「さくら野DEPT仙台合同会社」と全く同じではないと思いますが、この法人が資産売却をする方向で調停を起こしたというのが記事の内容です。

なぜ解体して資産売却か

さくら野百貨店南側の地点は宮城県の路線価最高地点の青葉通に面しています。

路線価に関する記事の詳細は下記をご覧ください。

blog.imachizu.com

単純に「売れるから」というのが理由でしょう。立地条件としても改めて整理してみると、

  • JR仙台駅とペデストリアンデッキで直結
  • 地下鉄仙台駅徒歩1分
  • 高速バス発着停留所目の前

というこれ以上ない立地です。

今後はどうなる?

さくら野仙台店は自己破産したことから、今後はこの調停申し立てをしている「さくら野DEPT仙台合同会社」の意向に沿った売却が進むことが想定されます。

記事では”売却は投資を回収するのが目的”とあり、再開発には関与しないと読み取れます。

再開発については売却するディベロッパーにおまかせという感じです。

仙台駅周辺は商業過密エリア

仙台駅周辺の商業施設は去年のパルコ2とエスパル新館で飽和気味です。それでも立地の特性上、新たな商業施設ができる可能性は十分考えられます。一番理想的なのはアエルのようなオフィスを中心とした複合ビルですが、これはオフィスの需要が安定している現在は行政が間に入ってこないと難しいかもしれません。

 

いずれにしても、今後の一番の注目開発になることは間違いありません。