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無電柱化・電線地中化、ここ最近の動きについてのまとめ(2016年9月)

 

こんにちは!

全然話題にならないですが、道路から電柱をなくす「無電柱化」について、ここ一カ月程の間に動きがでてきました。三つの報道記事がありましたのでまとめて掲載します。

 

まずは、2016年度第2次補正予算で数十億円を要求

8月に話題になった安部内閣の超大型補正予算について、国土交通省として無電柱化に関する予算も要求していました。当時は数十億円程度を要求していたと報道されています。

 

「無電柱化」景観向上・防災へ国主導で加速

2016/8/18 23:47 日本経済新聞 電子版

政府は2020年の東京五輪に向け、電線を地中に埋めて電柱をなくす「無電柱化」を進める。国土交通省は2016年度補正予算で事業費を数十億円確保、国 道の無電柱化などに使う。財務省は日本政策投資銀行から、電力会社や通信会社に資金を貸し出す仕組みを新たに設けて後押しする。無電柱化は景観の改善で土 地の資産価値を高めるとともに、防災面でも効果が大きい。だが日本は世界に遅れており、国主導で加速する。

熊本地震で倒壊した家屋や電柱(4月、南阿蘇村)

(中略)

 財務省はこうした状況を踏まえ、財政投融資の仕組みを生かし、民間の資金繰りを後押しする。財投債を発行し、低金利で調達した資金を政投銀に融資する。政投銀は最大5000億円の融資枠を設け、電線を管理する電力会社や通信会社に低金利で長期の資金を貸し出す。

 さらに国費も積み増す。国交省は補正予算で得た事業費を使って国が管理する直轄国道の無電柱化に活用。地方自治体に配る「防災・安全交付金」も増額する方向で、地方での取り組みも促す。(以下略)

出典:「無電柱化」景観向上・防災へ国主導で加速 :日本経済新聞

 

財務省も財政投融資等の活用をし、実際に電柱を所有している電力会社等に融資する仕組みを設けるようです。

 

 補正予算は29億円で閣議決定

最終的に8月24日の閣議決定で29億円分が無電柱化に充てられることになりました。大きな一歩です。

国交省・2次補正予算案、無電柱化に29億円計上

2016/08/30  

普及加速へ課題はコスト低減

無電柱化の動きが広がりをみせている。国土交通省は24日の臨時閣議で決定した2016年度第2次補正予算案において、「無電柱化の推進、交通安全対策」 として約187億円を計上した。うち無電柱化の推進には29億円を確保。15年度補正予算では、無電柱化の推進に関する費用は盛り込んでいなかった。防災 性の向上や良好な景観形成などの観点から、無電柱化を加速させる考えだ。

無電柱化は防災、景観、道路利用者の安全・安心確保などの利点を有するが、普及への最大の課題とされているのがコストだ。電線を地中化する際、電力事業者 だけでなく、国や自治体(道路管理者)も費用を負担するルールになっている。その比率は電力会社、国、自治体がほぼ3分の1ずつ。電力会社の負担部分は地 上トランスと電線、電線の引き込み、民地内の引き込み管路、架空設備撤去費用など。国や自治体は、電線を引き込む管路などの費用を負担する。

 出典:国交省・2次補正予算案、無電柱化に29億円計上(11面)-電気新聞-

 

以前と変わってきたのは、無電柱化について取り上げられる際に今までは「都市景観のため」の無電柱化という扱いでしたが、最近は「防災のため」という枕詞がつくようになったことです。この記事でも、「防災 性の向上や良好な景観形成などの観点から」と記載されています。

見方が変わってきたことを実感します。

小池知事が東京都の無電柱化を進めるコメント

新たな都知事として注目されている、小池都知事が戸の防災訓練の際に「無電柱化」について言及しています。小池知事は、国政議員時代には無電柱化の強力な推進者でした。都知事になって強力な手腕が期待される中のこの発言は今後に期待できます

都内各所で地震訓練 小池知事「無電柱化進める」

(2016/09/04 17:31)

首都直下地震を想定した東京都の訓練が行われ、小池知事は災害時の被害を少なくするため、電線を地中に埋める「無電柱化」を進める考えを示しました。

(中略)
 小池知事:「電柱、電信柱が傾いて、きょうのようなスムーズな救助というのが行われにくくなる」
 小池知事は災害時の被害を少なくするため、電線を地中に埋める「無電柱化」を進めていく考えを示しました。一方、東京・国分寺市では、地震が発生した際に避難所に宿泊する訓練が行われ、住民ら約60人が体育館で一夜を過ごしました。
 参加者:「ひとごとじゃないですからね」「やっぱり(体験)してみないと分からない」
 市の担当者は「大きな地震は絶対にくるという意識を持って、普段から防災対策に取り組んでほしい」としています。

 出典:都内各所で地震訓練 小池知事「無電柱化進める」

 

 小池都知事も災害時の被害を少なくするためという視点です。

今後に期待です。

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