こんにちは!
電線地中化の新たな動きが出てきましたので最近の電線地中化の動きをまとめてみました。毎年似たような話が出てくるものの、一向に話が進まない無電柱化政策。最近は災害での脆弱性や国土強靭化の観点と、東京オリンピックに向けた景観という2つの軸から、大きく舵が切られ始めたように感じます。
最近の流れを時系列で記載します
10月20日 小池百合子衆院議員が「ネクタイの次は、電柱を引っこ抜きます!」
この日開催された「無電柱化を推進する市区町村長の会」の設立総会にてコメント。この日から全国の首長からなる「無電柱化を推進する市区町村長の会」がスタートしました。
10月28日 東京五輪に向け防災&景観保全 推進法案を自民部会が了承
自民党は28日、国土交通部会などの合同会議を党本部で開き、防災や景観保全などを目的に、事業者に電柱や電線の設置抑制や撤去などを求める無電柱化推進法案を了承した。2020年東京五輪開催に向け、新規の土地区画整理や市街地開発では電柱の新設を事実上禁止する。
事業者は電柱・電線の設置抑制や撤去に加え、国や自治体と連携しながら無電柱化の技術開発も行う。国交相は基本方針や目標を盛り込んだ無電柱化推進計画を策定し、自治体は具体的な実施計画を定める。
12月25日 国土交通省が、災害時の避難や物資輸送の動脈となる緊急輸送道路に関しては電柱新設を認めない通達
国が管理する緊急輸送道路のうち、高速自動車道を除く一般道部分の2.2万キロ部分で電柱の新設は原則禁止の通達が出されました。
日刊建設工業新聞 » 国交省/無電柱化ー税制と規制で促進/緊急輸送路2・2万キロで新設禁止
2月1日 安部首相が「2020年東京五輪・パラリンピックまでにスピードを上げて進めたい」とコメント
全国245人以上の首長からなる「無電柱化を推進する市区町村長の会」会長の山下和弥・奈良県葛城市長らが2月1日に首相官邸で会談し、安部首相から上記コメントがだされました。
2月24日 電線などの埋設物に関する設置基準を4月1日に緩和
地中化する際の深さの基準が4月1日から緩和されます。
生活道路では埋設物の深さの基準が下記のように変更されます
- 径15cm未満:深さ80cm⇒深さ35cm
- 径15cm以上:深さ80cm⇒深さ60cm
歩道では
- 径の大きさに限らず深さ40cm⇒深さ15cm
ここへきてついに国土交通省が、設置基準を見直しはじめ、今まで掛け声だけだった無電柱化政策が具体的に動き始めました。今まで、緊急性がなく大きな利害も絡んでこなかっただけに優先順位が後に後にされがちだった無電柱化政策。国土強靭化、東京オリンピックという名の下ようやく動き始めた感があります。