こんにちは!
仙台市役所本庁舎の建て替え計画について、少し調べてみました。時々河北新報の記事に途中状況が掲載されますが、実際どこまでどんな計画で進行中なのかは把握できていませんでした。
市役所HPに掲載済みの情報を時系列にまとめてみました。
2018年11月に公募型プロポーサルを実施
2018年11月に公募型のプロポーサルを行っており、最優秀者の第二次審査の提案書が公開されています。
この時は4事業者からの提案があり、最も優れた提案者は、株式会社久米設計が選ばれています。
仙台市HP:仙台市役所本庁舎建替基本計画策定支援業務委託に係る公募型プロポーザルの結果について|仙台市
仙台市のHPには、詳細な提案書が公開されています。ただし、こちらは具体的な設計ではないので、イメージ部分が多いです。設計会社としては、今後の詳細内容を詰めてからでないと本当の設計業務に入れないので、まずは建設イメージを市に対して示したという内容のものです。
2019年7月サウンディング型市場調査の結果公表
「サウンディング型市場調査」という調査が聞きなれないですが、民間事業者等(不動産業者、デベロッパー、商業企画設計施工会社、商業コンサルティング事業者など)などへのヒアリングのことです。
その結果が公表されています。
サウンディング調査では「低層部」「周辺広場」「市民広場」に分け、民間活用の方法を探っています。
また、建物配置について、東側配置、西側配置、中央配置、南側配置の4案が検討されています。
建物配置案
このように、具体的な配置例をイメージで公開しています。2018年6月の公開プロポーサルの内容に一番近いのは、3番目の中央配置案ですね。
また、南側配置案以外は、限界高さ80mをいっぱいまで使っています。南側配置案は55mで一番低い建物になっています。
高さ80m、18階建ての東側配置案です。東西、南北とも57mで正方形の建物です。東側配置案としながらも、かなり南に配置されており、南側の市民広場からも東側の県庁側からも圧迫感を感じるかもしれません。
建物配置的に宮城県庁を見るような感じの配置です。東二番町通側がかなりスペースができるので、ゆったりとした印象に感じる配置です。
公開プロポーサルに最も近い配置です。高さは80mの19階建てで、階数は最も高いです。
南側配置案は、高さを55m13階に抑えた案になっています。
どの案も、建物南側の屋外広場と市民広場は一体利用と書かれており、もしかしたら間の道路は車を排除し広場化、または公園化される可能性もあるかもしれません。車寄せは、それを見越してかすべて西側に配置されています。
因みに、2018年6月の公開プロポーサルのイメージでは、一体化した広場のようなイメージになっていました。
建物規模について
建物規模についての記載もありました。
- 構 造:鉄骨造(想定)
- 階 数:概ね 19 階、地下2階
- 高 さ:80m
- 延床面積:約 66,000 ㎡~78,000 ㎡
- 就業予定人数:約 3,000 人(最新の検討内容を踏まえ修正)
仙台市HP:新本庁舎低層部等のサウンディング型市場調査を実施しました|仙台市
19階建ての記載は中央配置案ですので、ベースの記載は中央配置案でしょう。個人的な意見ですがじっくり見ていると中央案が一番良い案に見えてきます。
市役所の位置の建物高さについては、市で自ら規制した高さ60mのエリアです。そこを緩和措置を使って最高80mとなっています。このあたり柔軟にできればいいのですが、それはそれであちこちからいろんな声がでるのでまずいんでしょうね。
完成までのスケジュール
この段階では令和10年の供用開始のスケジュールです。
- 令和2年度~5年度 設計時期
- 令和6年度~9年度 工事時期
- 令和10年度 供用開始
2020年4月第8回会議
なんとタイムリーなことに、この記事を書いているときに、第8回会議の内容がHPにアップされました。第8回会議は、新型コロナウイルス感染防止のため書面会議という形で行われたようです。
いろいろなことが報告書に記載されていますが、目立ったところでは新本庁舎の配置についてです。位置関係がわかりやすくまとまっている図が示されています。
上記で、記載した建物南側の広場と市民広場との間の道路は取り扱いについて検討となっており、公園化、広場化の方向にかじを切っているように感じます。
庁舎の配置についても、おおよそ2019年7月の配置検討に基づいています。
他の検討事項
- 規模は、58,000平方メートル~60,000平方メートルの範囲ににダウンサイジング
- それに合わせて費用が453億円~473億円の範囲
- 新本庁舎低層部内に専有面積で約 3,000 ㎡の市民利用・情報発信機能を整備すること。
規模は、それぞれのスペースの適正規模を検討した結果、縮小しましたが、費用は増える方向となっています。
今後のスケジュール
工期の概算のスケジュールでは令和2年の途中から設計業務に入ることとなっており、今検討されているものをベースに設計がスタートしていくものと思われます。
それにしても、市役所本庁舎建て替えについては、具体的な配置とボリューム、低層階の用途などの方向性が検討されており、かなり慎重ですが、着実に進んでいることがわかりました。